薬剤削減

 

農薬を使わず自然の生態系を最大限に活かしましょう。

  • 薬剤(殺虫剤、除草剤、殺菌剤など)はできるだけ使用しない。
  • 自生植物・在来植物を植える。

  • 危険性の低い製品や方法を用いる。


(バックヤードハビタット「薬剤削減」基本姿勢)


薬剤(農薬)の危険性


薬剤(農薬)を使うと、次のような影響があると、バックヤードハビタットでは説明しています。

 

①人体に有害

②子供に危険

③妊婦に有害

④発がん率を高める

⑤ペットに危険

⑥鳥やミツバチに有毒

⑦残留農薬の害

⑧水質汚染や、水生生物に有毒

 

殺虫剤、除草剤、殺菌剤などの薬剤を使うと、野生動物やペット、人間にとって非常に有害と定義されています。


薬剤(農薬)とは


農薬の基礎知識  詳細 農林水産省ホームページより

「農薬取締法では、「農薬」とは、「農作物(樹木及び農林産物を含む。以下「農作物等」という。)を害する菌、線虫、だに、昆虫、ねずみその他の動植物又はウイルス(以下「病害虫」と総称する。)の防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤その他の薬剤(その薬剤を原料又は材料として使用した資材で当該防除に用いられるもののうち政令で定めるものを含む。)及び農作物等の生理機能の増進又は抑制に用いられる植物成長調整剤、発芽抑制剤その他の薬剤をいう。」とされ、また農作物等の病害虫を防除するための「天敵」も農薬とみなす、とされています。」

 

農林水産省ホームページでは、

(1)農薬とは

(2)なぜ、農薬が使われるのか

(3)病害虫や雑草による被害はどの位か

(4)農薬の歴史

 

  • 農薬の安全性はどのようにして確保されているのか
  • 農薬の登録制度とは
  • 農薬の残留基準はどのようにして決められるのか
  • 環境への安全性の評価
  • 農薬の使用方法を守る理由
  • 用語解説

などを 閲覧できます。

農薬登録情報提供システム (農林水産省)

 

農薬登録の情報を検索するためのシステム。

農薬名、作物名、病害虫、有効成分、その他で検索が可能。
用途、毒性ランク、成分情報、どの作物に適用されているか、使用方法、などの情報を入手できます。

 

 

特毒=特定毒物ー毒物の中でも特に毒性が高いもの(使用者は法令で指定された者に限られる)

毒=毒物ー毒性が 高いもの(経口半数致死量が 50mg/kg 以下のもの等)

劇=劇物ー毒物ほどではないが、毒性が高いもの(経口半数致 死量が 50mg/kg~300mg/kg のもの等)

普=普通物ー毒劇物に該当しないもの

例1:ラウンドアップ(グリホサート) ー 普

例2:ディプテレックス乳剤 ー 劇薬

例3:リン化アルミニウムくん蒸剤 ー 特毒

日本における総合的病害虫・雑草管理(IPM) 農林水産省ホームページより

 

IPM(Integrated Pest Management)とは、作物の生育段階に応じて、天敵・ウイルスなどで生物的に取り除いたり、ネット・ビニールなどの資材で防いだり、環境負荷の低減を図りながら、病害虫や雑草を総合的に取り除く手法です。

バックヤードハビタットで適用されているIPM は、日本国内でも推進されています。

 

 

病害虫防除に関する情報 農林水産省ホームページより

 

「総合的病害虫・雑草管理(IPM:Integrated Pest Management)とは、予め病害虫・雑草の発生しにくい環境を整え(輪作、抵抗性品種導入、土着天敵利用等)、病害虫の発生状況に応じて、天敵(生物的防除)や粘着板(物理的防除)等の防除方法を適切に組み合わせ、環境への負荷を軽減しつつ、病害虫の発生を抑制する防除体系です。

 

農林水産省では、病害虫や雑草の防除のために農薬に依存してしまう防除ではなく、IPMの考え方を取り入れた従来以上に環境負荷を軽減する防除を推進しています。また、農薬に対する抵抗性や耐性を獲得してしまった防除困難な病害虫について、IPMの考え方に基づく総合的な防除対策による効率的・効果的な防除体系の確立・導入に取り組んでいます。」


薬剤を使わない方法

生産的で安全、かつ健康的な庭をつくるには、危険性の低い製品や方法を用いることが 大切です。


健康な土づくり

土の中の微生物、ミミズなどの有益な土壌生物は、土壌の構造を改善し、栄養分をリサイクルします。

マルチングをすると、 土が水を蓄え、害虫や病気、雑草から守ります。熱や霜からも守ります。
植物に栄養を与えるのではなく、土に栄養を与えることが大切です。肥沃な土は、植物を健康に育て、手入れを容易にする鍵です。

 

 

 

堆肥やマルチングで肥沃な土壌を作りましょう。肥沃な土は、黒くて砕けやすく、豊かな土の 香りがします。スポンジのように水を吸収し、肺のように空気を吸い、生命力に溢れています。 一握りの健康な土 には、約 100 億もの生物が生息しており、地球上の人間の数をはるかに上回っています。 土壌の肥沃さは、この小 さな生き物たちにかかっています。 

 

堆肥は、土の中に埋め込んだり、表面にマルチングして使いましょう。マルチング材としては、樹木のチップや秋の落ち葉などがあります。堆肥のような有機物は、ミミズ や菌類、バクテリアなどの有益な生物の餌となり、土壌を健康に保ち、植物を元気にすることができます。

 

土壌の圧縮を避けましょう。根は "呼吸 "しているので、空気の通り道が必要です。圧縮された土を改善するには、堆肥 などの有機質改良材を土に混ぜます。マウンド型やレイズド型のベッドを作り、その間に歩く道を作り、耕すのを 最小限にしましょう。(特に土が湿っているとき)

(健康な土をつくる https://www.growsmartgrowsafe.org/NaturalYardCare/SoilAmendments より。)

 

 

 

 

植生の最適化

土地に合った植物を植えましょう

日陰、湿った土、乾燥した土、傾斜など、その場所に合った、虫や病気に強い植物を選びます。

水、太陽、土壌の必要性に応じて、植物を最適化します。

厳選された在来植物を植えることで、野生生物の居場所を作り、水を節約し、薬剤や肥料を減らすことができます。

 

 

 

水やりの工夫

水やりは土が乾いているときに。
植物の問題の多くは、水のやりすぎが原因です。

土の表面から 5~10cm 下の部分が乾燥していたら、ゆっくりと深く水を与えてください。 根を鍛えることになります。土の表面が乾いてから水をやりましょう。

 

 

 

益虫の保護

虫との共存を学びましょう。 庭にいるほとんどの虫は役に立っています。それらをすべて殺してしまうと 益虫まで もいなくなってしまって 問題が悪化します。益虫は庭づくりの味方です。 殺虫剤を探す前に、園芸情報で専門家が推奨する方法を見つけましょう。 罠やバリアーなどは、殺虫剤と同等以上の効果を発揮します。

 

 

 


そのほかにできること


コンパニオンプランツ

共栄植物、共存植物と言われ、お互いがお互いを助け合い、健康な成長を促進する、相性の良い植物を、コンパニオンプランツと言います。 コンパニオンプランツを近くに植えることで、病気になりにくくなる、害虫を減らせる、生育がよくなる、受粉や結実をよりよくする、野菜ならば味や風味がよくなる、という効果があります。薬剤を使わずに育てられるため、環境にも人体にも安全な庭に近づきます。

  • バラには、ローマンカモミール、チャイブ、マリーゴールド、ラベンダーなどのハーブがコンパニオンプランツとなる。

自然素材のバリア、わな

網(ネット)や虫除け、わな(トラップ)など、なるべく自然素材を使った、人道的なものを作成してみます。
インターネットを使って、さまざまな有益な情報を探してみましょう。

 

  • ナメクジ対策として、生姜、ニンニク、チャイブ、ミント、チコリ、ケール、春菊、ブロッコリーなどを植える。 また、ギボウシ、駒草、ジキタリス、ビオラ、ラナンキュラス、日々草、ハッカなどで庭を囲って、バリアを作る。
  • ビールや発泡酒、牛乳を容器に入れて置いておくと、ナメクジのわな(トラップ)となる。バナナの皮も有効とのこと。 
    銅をナメクジの侵入口に置たり、銅線でバリアをする。
    植木鉢、木片など日陰のジメジメしたところに、キャベツの葉、柑橘類の皮、ドライペットフードなどを一緒に置いて、ナメクジを誘き寄せる。樫の葉のマルチングをする。
  • アブラムシやナメクジには、木酢液に唐辛子を漬け込んだものをスプレーする。ニガヨモギの煎じ汁と液体洗剤を混ぜたものをスプレーする。
  • ナメクジの天敵である、ゴミムシ、鳥、カエル、を庭に招く工夫をする。
  • コメ酢、唐辛子、ニンニクなどで防虫スプレーを作る。
  • ゼラニウム、ユーカリ、レモングラス、ラベンダー、タンジー、タイム、蚊連草、除虫菊、ペパーミント、バジル、ローズマリー、ニーム、マリーゴールドなど、防虫効果があるハーブを植える。
  • ラベンダーとローズマリーを麻紐で束ねてスワッグをつくると、蚊除けになる。