花粉を運ぶ虫、益虫、鳥などを庭に呼び、大切に扱いましょう。
・ 野生生物が食べる在来種を育てる
・ 野生生物の食糧のために薬剤を使用しない
・ 野生生物が生息できる住みかを作る
たとえ小さな庭であっても、そこはさまざまな生き物たちがすむ世界です。土壌微生物、ミミズやダンゴムシなどの土をつくる分解者、生産者である植物、それを食べる虫、そしてその虫を食べる肉食の虫や取り、カエルやトカゲなどの小動物。それらによって生態系は形づくられ、バランスが保たれます。バランスのとれた庭ならば、アブラムシが発生すると、それを食べるテントウムシなどの天敵がやってきたり、イモムシやケムシが発生すれば鳥がやってきます。
敬遠されがちな虫たちですが、薬剤で虫を駆除すると、その虫を食べる天敵も来なくなり、生態系のバランスが崩れ、かえって病虫害を引き起こすことになりかねません。上手に虫たちと共存し、生態系のバランスの取れた庭作りをしましょう。
地域によって生息する生き物に違いはありますが、まずは、一般的に庭にいて欲しい生き物たちを知るところから始めましょう。そして、彼らが好きな植物を植えたり、隠れたり冬越しする場所を用意してあげましょう。都会では大きな樹木が少なくなり、小鳥たちは住宅難だといいます。川や用水路の整備も進み、水場も少なくなっています。
ひとりの人間が一年間生きるためには、300匹の鱒が必要。 その鱒には、9万匹のカエルが必要で、そのカエルには2700万匹のバッタが必要で、そのバッタは1000トンの草を食べなくては生きていけない。(G・タイラー・ミラー)
害虫対策には薬剤を使わずに、肉食系の生物たちに活躍してもらいましょう。 花粉媒介者は菜園や果樹園に欠かせない存在です。
テントウムシ
最も有名な益虫。アブラムシを食べます。幼虫はグロテスクですが間違って駆除しないように。
トンボ
蚊・蠅・蝶・蛾などを空中で捕食する。
カマキリ
成虫はバッタ・蝶・ハエ・カメムシなどの昆虫を食べます。害虫だけでなく益虫も食べる。赤ちゃんはアブラムシやコナジラミなどの小さい害虫を食べます。
カエル
昆虫や蜘蛛を食べます。動いているものを捕まえて食べる。アマガエルは卵を産む時以外は水に入らないそうです。
ニホンカナヘビ
昆虫やクモ、ワラジムシなど陸生の節足動物を食べる。
小鳥
鳥は樹木や草花につく幼虫をたくさん食べてくれます。
クモ
巣を張るクモは巣で蝶や蛾を。土壌性のクモは土中に穴を掘って巣を作りアリやダンゴムシを食べる。
ウスバカゲロウ
夜行性。幼虫はアブラムシ、カイガラムシ、ハダニを食べる。成虫も肉食。
ハナアブ
たくさんの種類がいますが、益虫として優秀なのはヒラタアブ。人を指す事はなく花粉を食べて受粉を助けてくれる。
枝場
剪定した枝をまとめて置いておくと、その隙間で虫達が冬を越します。
落ち葉
落ち葉の下も寒い冬を過ごす場所になります。
巣箱
鳥は成長過程でたくさんの虫を食べます。入口の穴のサイズは呼び込みたい鳥によって変わり、シジュウカラなら直径2.8mm程度。
バードバス
夏でも冬でも水浴びする小鳥たち。羽に着いた汚れを落とし、病気にならないように清潔な状態を保つのだとか。
てんとう虫ハウス
真夏の暑さと冬の寒さを凌ぐための場所。枝場が作れないところでは代用に。