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FBページの投稿を転載しています。最新情報はFBページ「いのちのめぐる庭づくり認定プログラム」にお越しください。


2021年


20211228日 【門松】

今年も暮れていきます。新しい年を迎える準備にお忙しい中と存じますが、今年最後の投稿を。今日はちょうど、門松を飾り終えると良いとされる28日。岡山出身の私は、東京に約11年住んでいた際、東京の門松やお飾りのシンプルさに驚いたものでした。門松は、一年の幸福をもたらしてくれる神様に迷わず家に来てもらうよう、掲げるサインだそうです。調べてみると、杉や榊、椿を使っている場所もあるとのことですが、松が主流。なぜ松が選ばれているかというと、松は神様を祀る(まつる)ので神様が好んで宿るとされ、生命力の強い長寿の木であり、葉が上向きだから、という説や、平安時代の「小松引き」という儀礼に由来するという説もあるそうです。竹が門松に加えられるようになったのは、室町時代とか。のちに、梅や葉牡丹、南天なども飾られるようになったようです。また、松は、オスとメスで使い分けるとか。。。オスの松、雄松は黒色の黒松で、入り口正面から見て左に置き、メスの松、雌松は赤っぽい黒松で、入り口正面から見て右に置くのが正しい位置とされているそうです。竹の切り方には、関東と関西で違いがあったり、竹の長さ(7:5:3)の意味、置き方で願いが変わるとも。日本の自然に根付いている樹木だからこそ、性質や生態を模倣し、あやかり、祈りや希望へとつなげているのだなあと、改めて自然とのつながりの深さと歴史に感慨深くなりました。

今年、「いのちのめぐる庭づくり」に関心を寄せてくださったみなさま、ありがとうございました。できる速度でゆるゆると進めているボランテイア活動ではありますが、賛同してくださる温かい皆さまの存在があってこそです。来年は、ゆっくりとしたペースながらではありますが、新しいフェーズを迎える予定です。引き続き、「いのちのめぐる庭づくり」のあゆみに寄り添っていただけるなら、ますます大きな励みや力になります。皆さまの、おひとりおひとりのお庭、そしてご家庭というお庭にも、健康と幸せが 途切れることなくめぐりますよう、お祈りしています。よいお年をお迎えください。(松本理恵子)


20211222日 

 今年は勉強会やこのプログラムを通して、建築と庭の関わりを深めた一年でした。その締めくくりにこの本を読んで来年に繋げたいと思います。素晴らしい出会いの予感。(長澤直子)

 


20211214日 

 

ようやく冬らしい朝で、霜が降り地面は白くなっていました。植物の葉の上にはたっぷりの朝露。こんな様子を見ると、冬は畑も水やりは必要ないんじゃない?と思えるくらい瑞々しい。霜も露も湿度が高いほど発生しやすくなります。柔らかい土の地面が多く、樹木や草花が多いほど湿度も保たれる。家の周りに健康な土と植物を育てたら、乾燥した都会の中でもバリアのような存在になってくれそうです。(冨田ちなみ)


2021127日 

何年か前に鳥が運んできた様で庭に生えて来た万両。なかなか実がつかなかったのですが、今年初めて赤い実をつけました。植えた覚えのないものが生えて来ると、困ったものの場合もありますが、まずは何かな?どんな花が咲くかな?どんな実がなるかな?とワクワクします。ところが最近めっきり鳥が少なくなってしまいました。

近くの大きな森の様なお庭が無くなったり、古い家が新しい家に建て代わり庭が少なくなって来ているのが大きな原因でしょうか先日TVでも、街からスズメが消えたとやっていました。スズメは家の軒下などの隙間に巣を作る事が多く、最近の家は隙間がないので巣を作る場所が無いのだそうです。確かに、毎年ベランダの藍の種をスズメが食べに来るので、種を確保したい部分にはネットをはって、残りをスズメにあげていたのですが、今年はとんとスズメの姿を見る事はありませんでした。時代と共に街や家が新しく変わっていくのは当たり前の事ですが、生活する私達がちょっとでも地球のことを考えて、それぞれの家で出来ることを少しずつでもやっていくことで、街の自然な循環を守って行かれるのでは。(佐々倉聡子)


20211130日 【水やり】

なんとなく、単なる日課になりがちな「水やり」。バックヤードハビタットでは、健康な土づくりのため、水やりの工夫を推奨しています。水やりの役割は、植物の根に水を吸わせる、根が呼吸するために必要な酸素を供給する、葉っぱの汚れや埃を落とす、土の温度を下げる、などがあります。まずタイミングですが、表面の土が乾いたら、朝から午前中のうちに水をやります。そしてスピード。バックヤードハビタットでも「ゆっくり」「深く」水やりをするように推奨されています。「深く」水やりをするとは?と、わたしもよくわからなかったのですが、根に染み込むように、新しい酸素を送るような、たっぷりとした水やりをすることです。ジョウロなどを使って勢いよく水をやってしまうと、水が土の表面をただ流れるだけになってしまうとのこと。土の表面が濡れたから水やり完了、ではなくて、土中のことを想像しながら、「ゆっくり」「深く」水やりを心がけるとよいそうです。そして何より、ゆっくり深く水やりをしていると、その植物をじっくり観察できます。観察は楽しいですね。病気や虫の早期発見にもつながりますし、その植物との対話も生まれます。対話といえば、近くの公園の木々を観察するのがとても好きです。
青空と太陽の柔らかい陽射しと相まって、美しい秋の協奏曲でした。(松本理恵子)


20211123日 

 

古い空き家が解体されてしばらく空き地になっている場所。最近、可愛らしいピンク色の花が咲いているなと思ったら、外来種としてリスト化されているヒメツルソバでした。良い機会なので、この植物を観察していこうと思います。(長澤直子)


20211116日 【コンポストのすすめ】

秋が深まってきて樹木の落葉が始まっています。秋から年末にかけては、剪定シーズンでもあります。夏の間に伸び放題になった樹形を整えて、新年を迎えるイメージ。植木職人さん達は年末まで大忙しです。樹木の剪定時期に決まりはありません。でもタイミングが悪いと実が成らなかったり花が咲かなかったりすることはあります。花や実を楽しみたいなら、その樹木に適した時期に剪定する必要があります。少し調べれば、それぞれの樹木の剪定時期が解ります。自分で剪定できるなら、それぞれの樹木に適した時に作業できます。

 

その時々にでる剪定クズ。クズなんて呼んでますが実は、お宝です。落ち葉も同じく、お宝です。どちらも土に還り大地の栄養分になります。ゴミで出すのは、もったいない。住宅地でもコンパクトなコンポストを庭の片隅に設置すれば全て、ここで処理することができます。この中には様々な虫が生息していて植物を分解してくれています。その虫達が外に出てくることは、あまりないので虫が苦手な人も安心してください。土に還ったら菜園や樹木の足元などに撒きます。このコンポストには庭から出たものだけを入れることにしておくと匂いが出る心配もありません。キッチンで出る植物系のゴミは、専用のコンポストで処理します。こちらも栄養分の豊富な土になります。分解が上手くできなくなったら、しばらく寝かせて肥料として庭に撒きます。庭のコンポストに投入してもOK。コンポストがあると家から出るゴミが、とても少なくなります。ゴミ出しのストレスが減るのも嬉しいです。(冨田ちなみ)


2021119日 

11月にしては暖かな日が続いていますが、地域によっては少しずつ紅葉が始まっていますね。我が家の庭のヤマボウシも真っ赤に染まって、2階の窓からちょうど見えています。(今日は雨に濡れていますが)紅葉は綺麗だけれど、落ち葉掃きは大変、という方も多いかと思います。

我が家も道路側は近隣の方にご迷惑にならない様に毎日朝夕掃いていますが、あっという間にまた落ち葉だらけに。でも、庭の中は木の根元に落ち葉を集めるだけで、そのままにしています。堆肥にもなるし、虫や蛙の棲家になりますね。我が家のヤマボウシの根元の落ち葉の中でも、毎年蛙が冬眠しています。そして、落ち葉でも染め物も出来たりします。写真は去年ヤマボウシの落ち葉で染めた物。優しい薄茶に染まりました。桜の落ち葉で染めるともう少し赤味のある色に染められます。落ち葉も自然の循環の大切な一部ですから、仲良くしたいですね。(佐々倉聡子)


2021112日 【つながっている土壌と世界】

グリホサート(glyphosate)、「ラウンドアップ」の名称のほうが知られているかもしれません。

どこのスーパーでもコンビニでも手に入る、普段使いの蜂蜜から、高い値の残留グリホサートが検出された、という先月のニュースが気になりました。日本の食品衛生法で定められたグリホサートの残留基準値は、蜂蜜の場合、0.1ppm。今回は、2倍から4倍のグリホサートが検出されたとのことでした。けれど、この基準、そのうち0.05ppmに緩められる、という話があり、結局、4倍のグリホサートが検出されても、基準を満たしているので大丈夫、という国の判断になるらしいということなのです。グリホサートは、ミツバチの減少の要因の一つと言われているもので、発がん性も指摘されていることから、
バックヤードハビタットでは、健康と環境に対する危険性が最も高い製品、レッドゾーンの農薬にリストアップされています。国際がん研究機関(IARC)でも、「ヒトに対しておそらく発がん性がある」として、危険度を示す5段階評価で2番目に高い「グループ2A」に分類されている農薬です。対して、日本の「農薬登録情報提供システム」では、ラウンドアップは「普通」のランクです。そして、ホームセンターでも 手軽な除草剤として販売されています。ここで 興味深い地図を見つけました。グリホサートの「世界汚染地図」です。シドニー大学のFederico Maggi准教授が、作成、発表されたもので、世界がどのくらいグリホサートに汚染されているかを示したもの。(掲載写真はシドニー大学のホームページより)   グリホサートは、どこにでもある環境汚染物質です。約3,600万平方キロメートルの範囲が、毎年6075万トンのグリホサートで処理されており、遠く離れた場所でも残留物が見つかります。」とMaggi准教授。日本で消費されている蜂蜜は、アルゼンチン、ブラジル、ニュージーランド、中国から輸入されているものがほとんどです。世界がつながって、経済活動、消費活動をしている現在。他国の土壌は関係ない、他県の土壌は関係ない、隣の庭の土壌は関係ない、ここだけOKならいい、という感覚から、「地球の土壌を借りている」という感覚になるといいな、と、自分の足下にある土を見つめながら思いました。(松本理恵子)


20211026

 

今朝方降った雨も上がって、しっとりとした気持ちのいい朝です。一雨ごとに季節がうっていくのを感じます。神社の木々も少しずつ色づいています。降った雨を出来るだけ地面に還すこと、浸透性の高い素材でお庭を作ることは、雨水管理の大切な要素です。京都の街中はアスファルトで埋め尽くされていますが、神社の境内を眺めていると、なんだかホッとします。境内の御神木は野生生物の大切な生息地にもなっています。こういう場所を大切にしたいな(できれば増やしていきたいな)と思っています。(長澤直子)


20211019日 【猫の放し飼いはNG?】

猫は一歩も外に出さない室内飼いが良いそう。外に出ると危険がいっぱいです。交通事故や伝染病、心ない人に虐められることもあるかもしれません。最近「エキノコックス」という寄生虫が愛知県の知多半島で定着したとの見解が示されました。これは北海道で広がってきていた寄生虫で、本州での定着は始めて。猫より犬の方が好適宿主なのですが、猫が無関係なわけではありません。猫や犬を通して人が感染すると肝臓に大きなダメージを受けて命に関わることも。今後も、どんな感染症が発見されてくるかわかりません。安全な環境で保護してあげたいですね。元々、日本に生息していた猫はイリオモテヤマネコ・ツシマヤマネコくらいで、ほとんどの猫は外来種だそうです。このプログラムに出会うまで知りませんでした。ポートランドのバックヤードハビタットのプログラムでは猫の放し飼いはNG。いのちのめぐる庭づくりでは、まだこれから検討していくトピックです。この辺りは「野生生物との共存」でお伝えしていきます。本日のお話し会は「野生生物との共存」と「薬剤削減」がテーマ。zoomでの開催です。ラジオのように聞いてもらうだけの参加も可能なのでお気軽にお越しください。コメント欄にイベントリンクしておきます^^ (冨田ちなみ)


20211013日 

ゲンノショウコ。ちょっと前に我が家の庭に沢山咲いていました。普通に日本全土の山野や道端に見られますが、ドクダミ、センブリと共に日本三大薬草といわれ、江戸時代から広く民間薬として使われて来たもの。服用するとたちまち効き目が現れることから「現之証拠ゲンノショウコ」と名前がついたとか。このゲンノショウコ、白花と紅花があって、東日本では白、西日本では紅が多いと言われています。ということは、東京の我が家では本来なら白花が自然のはず、、。元々、日本在来のものが好きで、庭にはなるべく日本在来の物をと色々植えていました。ところが、この「いのちのめぐる庭づくり認定プログラム」で、国内でも自生する地域が違えば国内外来になることを改めて学びました。ゲンノショウコは、本来なら東日本では白花が咲いていたのに、こうやって人が持ち込んで紅花も咲く様になって来たのでしょうね。それに、いくら日本在来植物が好きだからと言って、本来涼しい所に咲く様な山野草を植えてみては枯らして来た私、そりゃ、こんな猛暑になる東京の庭では厳しいですよね。こんな小さな日本の中でも、その土地土地の自然に寄り添うこと、大切なんだなあと感じています。(佐々倉聡子)


2021105日 

明日は新月。 先月の新月の日に投稿した「オオモクゲンジ」の黄色い可愛い花。 今はちょうど、実を結んだオオモクゲンジに会えます。 「暑い秋」なんて聞きなれない言葉を発してしまうほど、日中は半袖、ノースリーブ、冷房の日々。まだまだアイスクリームだって美味しい。 それでも、ヒヨドリのヒーヨッ!キョー!という声はひんぱんに耳にするようになったし、公園では、たくさんのどんぐりが子供たちの歓声を浴びています。

人間たちが都合よく好き勝手のさんざんを重ねても、あるべきタイミングにあるべきものが花を咲かせ、実を結び、恵みをもたらしてくれる、自然がしっかりと巡ってくれていることに、感謝しかありません。 次の「いのちのめぐる庭づくり認定プログラム おはなし会」は、1019日火曜日夜7時半から。 野生生物との共存、薬剤削減についてです。  自然に想いを馳せて、一緒に考える時間になれば。(松本理恵子)


2021928日 

 

朝からチェーンソーの音がして何やら騒がしいと思ったら、神社の木々が剪定されていました。電線との干渉が問題になったのかもしれません。とはいえ、一生懸命伸ばした枝葉が切り落とされた姿は見ていてかわいそう。人と自然、あるいは街と自然が上手に関わり合うこと、それを維持すること、もっといい方法はないかしらと考えさせられました。(長澤直子)


2021921日 

剪定した枝を小さくしてマルチングにしておくと、次第に風化して土に還っていく。土に栄養を与えてくれる。

 

その過程では、草の根も風化を促してくれているんですね。枝の中に根を伸ばして芽を出している露草を見つけました。(冨田ちなみ)


2021915日 

最近我が家の庭の梅の木に小さな薄緑色の虫が沢山ついています。(小さいので写真が上手く撮れていませんが)詳しい方に聞いたら、仮称ウメシロヒメヨコバイ。元々中国や朝鮮半島、台湾に生息していた外来種で、国内では今まで沖縄などでしかみつかっていなかったのが、昨年あたりから京都や埼玉で初めて確認されたとの報告があると。東京ではまだ確認されてなかったというわけではないでしょうが、本来なら東京にはいない虫だったんですね。温暖化の影響ですね葉っぱの汁を吸ってしまうので、葉っぱが白くなっています。周囲を見てみると、お向かいのしだれ梅や、他の近所の梅の木にもやはりいました。こういった虫の場合、ご近所みんなで対策しないと、根絶できないそうです。こんな時、いのちのめぐる庭づくりで地域が繋がっていれば、地域で対策をとる様なことも出来るのでは。(佐々倉聡子)


・2021年9月7日 

今日は二十四節気の暦の上では、「白露(はくろ)」の新月。 夜中に冷えた空気が朝露になって草花や木に降り、朝日にあたって白く輝く、そんな露が美しい季節、だそうです。朝の散歩が気持ちいい季節到来ですね。 いつもの散歩コースで、緑の中にひときわ輝く黄色い花が目に留まりました。 AIのアプリで、この花の名前をおしえてくださ~い、と呼びかけたところ、親切におしえてくださる方がいて、なんという樹なのかが判明しました◎どうやら「オオモクゲンジ」という、ムクロジ科 モクゲンジ属の落葉高木で、 金色に輝く雨が降り注ぐかのように可憐な花をたくさん咲かせる樹として、英語では、Golden-rain treeというそうです。 実のほうは記憶がありました。薄いピンク色の風船のような、見覚えのあるカタチ。 この風船のような袋が開いて羽となり、ヘリコプターのように飛んで種子を運ぶそうです。 もっと調べると、種子は数珠玉として使われるとのこと! 中国原産で、根と根皮は咳を鎮める薬用、花は黄色染料に利用されます。 かわいい黄色の花に魅かれて調べたら、いろんなことが発見できました。 実を結んだオオモクゲンジと、種子を飛ばした後のオオモクゲンジに出逢えるのを楽しみに、ひきつづき秋の散歩、歩いてみたいと思います。 秋の味覚も(松本理恵子)


202194

自宅の庭でいのちのめぐる庭づくりを始めている方、これから始める方に参加して欲しい「みんぐるDAY」。9月15日(水)9:45〜は、下草の手入れや季節のフルーツ、ハーブの収穫などで一緒に手を動かしましょう。いのちのめぐる庭づくり5つの要素と庭での取り入れ方などのお話も。詳しくはコメント欄のイベントでご確認ください^^

 

(冨田ちなみ)


2021824

 

雑草と呼ばないで。夏の草がモリモリです。資材置き場の硬い地盤を育てることから始めたぐるぐるの庭は、現在進行形で庭作り中なので生えてくる草も様子も毎年変わっています。今年は「メヒシバ(たぶん・・イネ科の似た草が多くて見分けられない)」が広がる。土が露出しているよりは緑の方が良いので、除草せず背が高くなりすぎると草刈りしています。その草が土の栄養分になるはず。狭い庭でも場所によって植物の様子が違う。日当たりの違い?「ヘビイチゴ」が生えているところには「メヒシバ」は生えていない。観察が面白いです。夏が終わり季節が移り変わる時に、草はどう変化していくのだろう。秋の草に入れ替わっていくのでしょうか?庭に生える草を雑草と呼んでしまわずに調べてみる。名前がわかると、その草の特性がわかって付き合いやすくなるし、ちょっと親近感も湧いてきたり。庭はいつも変化していくから目が離せないですね。(とみたちなみ


2021817

 

先週夏休みだったのですが、県外移動も出来ないので、酷暑の中、都内散策をしました。都内に住んでいながら、結構行っていない公園などが多いので、順番に行ってみようと思っています。先週行った文京区にある肥後細川庭園。旧熊本藩の細川氏の下屋敷だった場所です。回遊式庭園になっていて、とても綺麗に整備されています。この日も芝生の所では、38度の猛暑の中、丁寧に草取りされていました。でも樹々の下はまるで自然の山の中の様に落ち葉が残されていて、気温も少し低く感じられ、東京のど真ん中ですが、クワガタやらトカゲやらにも会えて、水辺にはトンボもスイスイ。最後に掲示板を見ると、「生きもののすみか 落ち葉溜め」の掲示が。そうそう、これこれ!と頷いたのでした。(佐々倉聡子)

 


2021810日 【任意団体になりました】

2021717日付けで、任意団体として活動することになりました。2019101日に、アメリカ・ポートランドのバックヤードハビタットプログラムの事務局に翻訳許可をお願いするメールを送信したところから始まった、「いのちのめぐる庭づくり認定プログラム」。毎月一回ミーティングを持つ、そんなゆっくりとしたペースで、歩んでいるところです。はじめは、冨田ちなみさんと私のふたりで、こうなったらいいな、ああなったらいいな、と豊かな生態系のパッチワークを妄想(?)しながら、進めていたことが、いまや、長澤さんや佐々倉さんにコアメンバーとしてお力を貸していただくことができたり、活動を見守ってくださるメンバーの方々に恵まれ、賛同してくださる方々が仮登録へ進んでくださっています。ありがとうございます。

 

特に奇をてらった作戦があるわけでも、著名な方にリードしていただいているわけでも、巨大なバックボーンがあるわけでもありません。ただただ、自然が好きで、地球が大切で、自分にできることをひとつひとつ、地道に重ねていきたい。日常の暮らしの中で、自ら小さく手を動かしながら、大きなビジョンを観るひとたちをつなぎたい。同じ思いを持って集まってくださる方々と、教え合い、語り合い、共有しながら、小さなひとつがつながり合って、大きな絵となるような、そんな活動にしたいと思っています。これからも、共に歩んでいただけると幸せです。感謝とともに。 (共同代表 松本理恵子)


202185

 

暮らしを見つめ直すきっかけをもらいました。たくさんの人に読んで欲しい!(長澤直子)


2021727日  庭にいると嬉しい虫たち】

とにかく虫は嫌!っていう人、大人も子供も結構多いように感じています。そういう私もハエを見て泣いてた子供でした。でも自宅で庭づくりをするようになって感覚が大きく変わってきました。虫だって人と対峙したいなんて思っていない。ただ餌を探してウロウロしているだけで、たまたま人とぶつかったり、びっくりしたりしてるだけ。お互い敵じゃないのです。敵と言えるのは人の血を栄養分にする蚊と虻くらいかなと。あ、ダニもですね。そう気づいたら、いろんな虫がいる庭が頼もしく見えてきます。植物を食べる虫を餌にしている生態系ピラミッドの上位にいる虫たちは庭づくりの大切なパートナー。気になる虫に出会ったら少しずつ調べていて、どんどん庭づくりのパートナーが増えていっています。この夏は「ドロバチ」「シオヤアブ」「オニヤンマ」たちが仲間入り。知ると見える景色が変わる。小さな庭で何度も気づかされています。(冨田ちなみ)


2021726日 いのちのめぐる庭づくり認定プログラム 【仮登録のご案内】

~自分の庭からひとつひとつ、自然な生態系を創り出す「いのちのめぐる庭づくり」の仲間を募集しています!~

 

「いのちのめぐる庭づくり認定プログラム」は、自分の庭を自然な生態系の庭にすることで、自分の庭のみならず、周辺地域も健康な生態系にすることを目指しています。アメリカ・ポートランド発祥のバックヤードハビタット認定プログラムにならって、日本版として拡げて行きたいと思った有志で、20203月に立ち上げた活動です。このプログラムでは、自然な循環を産み出す庭にするために、5つの要素にフォーカスしています。①有害な雑草の除去 ②在来植物を育てる ③薬剤削減 ④雨水管理 ⑤野生生物との共存この5つの項目に対して、認定基準に基づき、各自で自分の庭に取り組んでいきます。

 

今回は仮登録のご案内です仮登録すると、 FBの仮登録者のグループページで登録者同士の情報交換ができます。 いのちのめぐる庭づくりに役立つ情報を、グループページで随時共有します。 本登録の準備ができ次第、優先的にご案内します。仮登録ご希望の方はフォームにご記入ください。コツコツとひとりで楽しんでいる日常の庭づくりの中で、同じ思いを持った仲間と情報交換したり、庭づくりで出会う喜びや発見を共有共感したりすることで、みんなで一緒に地球の環境を育て続けていければ! それぞれの、ひとつひとつの庭がパッチワークのように繋がり広がっていく、そんな景色を思い描く仲間を募っています!たくさんのご参加お待ちしています。(松本理恵子)

 


2021720日 

 

全国的に梅雨明けして夏本番。いやあ暑いですね。週末、汗だくになりながら、庭の手入れをしました。梅雨の間見ぬふりしていた庭は樹は繁り、草も繁り、ワサワサ。樹の剪定は素人なので良くわかりませんが、伸びすぎたり込み合った所を適当にカット。草はなるべく採りたくないのですが、流石に繁りすぎなので、残したい草は残して、増えすぎると困る草を選んで除草。大雑把にですが。

 

そして、樹の下に溜まった落ち葉。主人は本当は綺麗に掃除したかった様です。確かに落ち葉だらけの庭だと、日本の狭い庭では、掃除していない庭という感じになることも否めません。でも、腐葉土となり生き物の住処となる落ち葉を残したい。そこで家から見える前の方は綺麗に掃除して、大きな樹の根元などに落ち葉を纏めてみました。そこそこ見た目も良く、落ち葉を残す作戦です。落ち葉を掻き集めてみると、梅雨明けして強烈な陽射しが3日続いていても、落ち葉の下や中はまだまだ水が沢山でしっとり。落ち葉をどかした場所はみるみるうちに土がカラカラになりました。そして、ジョウロに水や落ち葉が溜まっていたので、逆さまにしたら、、ボトンと出て来たのはカエル君。暑くて飛び込んだのかな?でもかなり深さがあるので自力で出るのは難しかったかも。無事木陰の落ち葉の中に入っていきました。(佐々倉聡子)


2021717

 

冬の葉物野菜の種たち。住宅地の庭にある小さな菜園でも、出来るだけ種を繋いでいきたいと思っています。種取りをすると色んな野菜の花を見ることが出来ます。小松菜の花、春菊の花・・・知ってますか?私は知らなかったなー。かわいいし、成長する姿は意外性があって面白いですね^^

 

次回の「みんぐるDAY」では、この種たちを取る作業もしたいと思っています。たくさんあるので良かったら持ち帰ってご自身の菜園で育ててみてくださいね。種取りしながらタネの話もしましょう。「みんぐるDAY」の詳細はコメント欄から。(冨田ちなみ)


2021713

蝉が鳴き始めました。梅雨明けもまもなくですね。子供の頃は、庭や林で鳴いている蝉を捕まえて、触って観察して羽を広げてみたりしていました。いのちをつなぐために懸命に生きているところを、残酷にも邪魔していましたね。蝉の天敵は、私のような人間のほかに、鳥、蜘蛛、カマキリ、モンスズメバチ。土の中ではモグラ、ケラ、ゴミムシや菌類などが蝉の天敵だそうです。天敵にやられる、というと、かわいそうなイメージを持ってしまいますが、循環する生態系とは、つまり、捕食と被食、で成り立っているという事実があります。天敵がいないと、特定の種が大発生して、人間が薬を撒く考えに至ってしまう可能性もあるので、捕食と被食のバランスは、循環するために見守っていく価値のあることだと思うようになりました。

「ひとりの人間が一年間生きるためには、300匹の鱒が必要。その鱒には、9万匹のカエルが必要で、そのカエルには2700万匹のバッタが必要で、 そのバッタは1000トンの草を食べなくては生きていけない。」―G・タイラー・ミラー。今日も、いろんないのちのめぐりの中で、自然の恵みに生かされて ここにいます。(松本理恵子)


2021629

 

いのちのめぐる庭づくり認定プログラムに参加しています。取り組んでます。ということを示す、庭に取り付けるサインを作ります。道ゆく人が見つけて、なんだろう?何をしているの?と疑問に思って「いのちのめぐる庭づくり」を知るきっかけになったり、ご近所とのコミュニケーションの種になったりして、この庭づくりがどんどん広がっていって欲しいなと考えています。プロのデザイナーに依頼する費用はないので自分たちで、あーでもないこーでもないをしています。「認定サイン」を作る時には、ちゃんとデザイナーさんに頼むぞ!と強く思う日々。もう少し試行錯誤します。。。(冨田ちなみ)


2021622

 

大好きなガーデナー、ポール・スミザーさんの5年ぶりの新しい本が出ました。ナチュラルガーデンの提唱者ポールさんが、長年庭作りをしてきて、本当に必要だと思ったことを伝えたいという本。ポールさんは、まずは庭や植物に対する思い込みは捨てようと言います。肥料をあげないと植物は育たないとか、ウチの庭は条件が悪くて植物が育たないとか。選んだ植物が環境にあっていなかっただけかもしれない。清里にあるポールさんが手がけるナチュラルガーデンズMOEGIに来た人達はみんな、どんな特別な事をしているの?どんな肥料をあげているの?と聞くけれど、その場所は決して良い条件の土地ではなく、そして肥料も農薬も使っていないそう。ポールさんが色々試して分かったことは、「自然をお手本に、自然の理にかなった方法を選べば、植物は自らの力で健やかに育つ」ということ。生き物目線で庭づくりを考えよう、その土地にあった植物を選ぶ、肥料や薬に頼らずに植物と付き合う、など、いのちのめぐる庭づくり認定プログラムの考えに通ずるなと思うことが沢山あります。~~健康的に維持された庭があれば、そこは生きものの住みかになる。広い場所でなくても、建物の横の小さなスペースでもいい。都会の小さな庭でも、近所に庭が点在していれば、それで大丈夫。鳥やチョウは誰の庭なんて気にせずに飛んでくる。庭伝いに移動しながら生きていけるんだ。植物ばかりがキレイでも、それは本当の庭じゃない。チョウが飛んでいて、鳥の声がして、目を近づけてみると小さな生きものが暮らせる場所。そんな庭がいい庭だと思う。庭に集まる彼らは、単なるゲストじゃないよ。庭でさまざまな働きをしてくれる。いろいろな生きものが暮らすことで庭が完成するんだ。人の手助けは最低限でも、植物同士、生きもの同士が庭のバランスをとってくれるはずだよ。~~(佐々倉聡子)


2021615日 【宮脇方式とポケットフォレスト】

宮脇方式をご存じでしょうか?わたしは、友人に宮脇先生の書籍を薦められ、影響を受けたことがきっかけで、仙台の震災跡の植樹、徳島県那賀郡での植樹ボランティアを、宮脇方式で経験したことがあります。今日は、宮脇方式と、都市部の「小さな森」ポケットフォレストと、いのちのめぐる庭づくりの共通点を、ある記事を通してご紹介したいと思います。目に留まった記事は、Column: The Miyawaki miracle  Feb 13,2021(原文・英語 Richmond News(紹介文・日本語記事「世界に広がる「宮脇方式」のミニ森林 気候変動に緑化で貢献」NewSphere 202167日)

 

宮脇方式は、横浜国立大学名誉教授、財団法人地球環境戦略研究機関国際生態学センター長の、宮脇昭先生の提唱する植樹方式。(以下は記事から抜粋)小さな土地でも密度の高い都市林を育て、生物多様性を回復する方法。従来の森林と比較して、成長のスピードが10倍、密度が30倍、生物多様性が100倍になる。最低でも30種類(多ければ多いほど良い)の様々な高さの在来種の高木や低木を、1平方メートルあたり3本程度、密集して植える。

 

土は地元の有機物を深く重ね、植えた後は断熱のためにマルチングを行う。あまり人間の管理を必要とせずに自然の状態の森にしていける手法。記事によると、日本をはじめ、インド、マレーシア、オランダ、フランス、ベルギー、アメリカで定着しているとのこと。カナダ・リッチモンドを、カナダ初の宮脇方式の場所にしよう、という呼びかけをしています。海外で展開されている、都市部の「小さな森」ポケットフォレストとは、低木層(約2メートルまで成長)、中木層(高さ約8メートル)、高木層(約12メートル)、キャノピー層(12メートル以上)の多層の森だとのこと。参考TEDトーク → シュベンデュ・シャルマ:「どこでも出来る小さな森の育て方」

 

 

いのちのめぐる庭づくりがお手本にしているバックヤードハビタットも、最終的には5層の在来種の森を庭につくることを推奨しています。在来種で多層の森をつくること。小さな土地でもでき、成長が早く強く、生物多様性が加速度的に豊かになる。都市部では「小さな森」のパッチワーク、住宅街では「いのちのめぐる庭づくり」のパッチワーク。健全な生態系に貢献すれば、ひいては人間の健康や豊かさへと巡り巡ってきます。世界でともに同じ貢献を目指せるのは、夢がありますね。(松本理恵子)


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いのちのめぐる庭づくりはアメリカポートランドで生まれた『バックヤードハビタット認定プログラム』がもとになっています。自分の庭を生き物の棲み処にすること。そのために、その地域の森に近い環境をつくることを本質としています。では、森って何でしょう。森についてあんまり知らないな、と思ったのでこんな本を読みました。森の木々について森林管理官の視点で書かれた良書です。長い長い時間をかけて進化してきた木の生存戦略、共生の在り方、多様性、様々なことを知ることができました。一つの家族が暮らす家に寄り添う小さな庭で、どんな環境をつくることができるでしょうか。そんな風に考えるきっかけとなりました。(長澤直子)


202161

いのちのめぐる庭づくりを実践しているシェアヤード「ぐるぐる の庭」に今春、勝手に生えてきたのが「ヘビイチゴ」。周囲は住宅地だし、近隣で見た記憶もないのですが、どこからともなくやってきました。多年生のほふく草本で、昔は日本全土の至る所の原野や道端に生えていたようです。食べても美味しく無いようなので、収穫もせず放置していますがグランドカバーとしては赤い実も丸い葉もカワイイです。植えていなくても、植物は生えてくる。在来のものならそのままにしておいて、もし「日本の生態系に被害を及ぼす恐れのある外来種」なら取り除きます。

 

こうして少しずつ「いのちのめぐる庭」を育てている「ぐるぐる の庭」で小さなイベントを始めていきます。季節の庭仕事を一緒にしたり、野菜の育て方を学んだり、ハーブを収穫したり、植物のことを学んだり、その時に感じられること、出来ることを参加者の皆さんと体験していきたいなと考えています。小さな庭なので少人数での開催となりますが6月の終わり頃にスタートさせようと準備中です。場所は兵庫県西宮市。興味を持っていただけたらコメントください。アナウンスを始めた時にお知らせさせていただきます。(冨田ちなみ)


2021525

 

今年は梅雨入りが早い様ですね。私の住んでいる東京はまだ梅雨入りしていませんが、先週は"走り梅雨"という感じで沢山雨が降りました。 さて、いのちのめぐる庭作り認定プログラムの5大要素のひとつに「雨水管理」があります。私は植物や生き物が好きでこのプログラムに興味を持ったので、在来植物や野生生物の項目には強い関心がありましたが、正直なところ雨水管理には始めあまり関心がありませんでした。我が家では雨水タンクを置いていて、雨水を水遣りに利用したりはしていますが、それ以外あまり雨水について考えたことはありませんでした。それが、このプログラムの中で少しずつ学ぶ中で、へえ~そうなのという事を色々知る事が出来ています。

雨水の行方、考えたことありますか?下水には、家庭などから出る汚水と、降雨による雨水とあります。うんうん、まあそれはわかる。で、下水道の方式には、合流式と分流式がある。へ~。合流式は、汚水と雨水をひとつの管路でまとめて水再生センターに送る方式。汚水も雨水も再生するんだから良いんじゃない?と思いますが、沢山雨が降ると処理しきれないので、汚水と混ざった処理されていない水を川に流してしまうらしい。え~!一方、分流式は汚水と雨水を別々の管路で送るので、汚水だけを処理して、雨水はそのまま川に流す。それなら混ざることは無い。じゃあ良いね?だから、今は世の中的には分流式が主流らしい。ふむふむ。それなら、きっと東京は分流式?と思って調べたら、東京都のほとんどのエリアが合流式、え? まあ色々理由や事情があって一概に良い悪いは言えないのです。分流式の場合雨水はそのまま川に流れますが、今や都会はコンクリートに覆われていて、雨が染み込む土の部分が少ないので、屋根や道路、車の上などについた汚染物質も一緒に川に流してしまう、という問題もある。そうか~~、そこまで考えていなかった、、。どちらの方式も長所短所あるのだけれど、いずれにせよ、最近ゲリラ豪雨が増えて水害が多く、汚水混じりの下水が溢れ出たり、汚染物質が混じった雨水が川に流れ込んでいたりしついること、雨が染み込み、濾過してくれる土がやっぱり大切なこと、、などなど改めてわかってきました。それで、この認定プログラムでは雨水を直接土に染み込ませられる様な仕組みを推奨しているわけです。調べてみると、東京都には雨水浸透ハンドブックなるものがありました。各家庭でできる範囲は小さいけれど、まずは知ること、気づくこと、小さなことでも出来ることからやってみること、大切だなとつくづく思うのでした。ちなみに、写真は一昨年のお散歩で出会ったカワセミ。今子育ての時期で、何度も水に飛び込んで、ザリガニや魚を獲っていました。野生生物と共存できる環境を守っていきたいですね。(佐々倉聡子)


2021511日 ◎生物多様性が高いと精神的により健康になる◎

風薫る五月。 緑 そよ風 木漏れ日 鳥のさえずりがあれば、幸せ! バルコニーにスズメがやってきてくれるだけで、きゃ♪近くの公園では、桑の実がたわわになっていて、鳥たちの声も一層弾んでいるようでした。そんな癒しをくれる鳥たち。鳥の種類が多い地域に住む人は、精神的に健康である、という興味深い記事を、見つけました。Biodiversity is positively related to mentalhealth。「生物多様性は、心の健康によい影響をもたらす関係にある」2021331日付

 

抄訳】 ドイツにおける種の多様性と人間の健康に関する研究で、次のことがわかりました。植物や鳥類の多様性が高い地域に住む人々は、精神的に健康である。ヘルムート・シュミット大学ハンブルグの研究員であるJoelMethorst氏は、「植物や鳥の種類が多い地域に住んでいる人は、種の多様性が低い地域に住んでいる人よりも、平均して精神的に良好な状態にある」と述べています。さらに、近隣の公園や緑地と精神的健康との間にはポジティブな関係が認められ、公園が近ければ近いほど良いという結果になりました。植物や鳥類の種が豊富な環境では、種の多様性が高いほど環境条件が良いことが多いため、人間の健康にも間接的に良い影響を与えます。クリスティアン・アルブレヒト大学キールのKatrinRehdanz教授は、「今回の結果は、自然保護が人間の健康を促進する手段として認められることを示しています。このことは、都市計画や緑地管理に特に重要性を持ちます。生物多様性に投資することで、都市住民の健康を促進することができるのです。」と述べています。 植物や鳥類の種類が豊富な環境は、人間に健康や豊かな暮らしをもたらす。植物や鳥などの生物にとって健康な土、環境をつくることは、まわりまわって、わたしたちの豊かさへ戻ってくるのですね...。(松本理恵子)

 


202154日 「家」と「庭」で「家庭」

「家庭」という言葉が「家」と「庭」との2文字で表現されるように、日々の暮らしに庭があることで身近に自然を感じ、変化に富んだ居場所を家と共に築くことができます。動画はそんなことを考えながら設計した家と庭です。庭の中ほどにある大きな木は30フィート(約9M)あります。バックヤードハビタットのプログラムをふんだんに盛り込んで作った庭と家ですが、残念ながら落選してしまいました(涙)。関係者の許可がが出ましたのでここで動画をアップします。いつかこんな家と庭を造ることができたらいいな!(長澤直子)


2021428日 【目指せ自家採種で循環する菜園】

店先に野菜の苗がたくさん並ぶ季節になりました。先週末のホームセンターのガーデンコーナーレジには長蛇の列。我が家でも夏野菜の準備を少しずつ始めています。菜園スペースには、まだ冬野菜の小松菜と春菊と水菜がいます。収穫期は過ぎていますがタネを取るために数株残していて、今や背丈ほどに成長しているものも。タネを蒔き、植物の成長過程の葉を食べさせてもらい、花を楽しんで、育ったタネを取り保存しておいて、次のタネ蒔き時期が来たらそのタネをまく。ぐるぐるぐるぐる、それが続けられたら、もう苗を買う必要は無くなります。今はスナップエンドウ・実エンドウ・ソラマメを育て収穫していて、これもいくつか残して来年のタネにしたいと思っています。先日、夏野菜のタネを色々買いました。この中から来年はタネを繋いでいけるものがあればいいな。タネ採りを意識すると、苗から収穫まででは知ることができない植物をたくさん発見できます。ただ生まれ次世代を生み、そして終えていく植物の一生の中で、人が都合よく葉や花やタネや根を、おすそ分けしてもらっているだけなんだと気付きました。(冨田ちなみ)


2021420

 冬の間寂しかった庭に、次々と草が生え、芽が芽吹き、賑やかになって来ました。庭にいるのが楽しい季節です。雑草と言われる様な草花達も大好きな私は、基本的にあまり草取りをしませんが、残したい草花が負けない程度に選択的除草をします。そして、使えるものは使います。ドクダミは万能な日本のハーブですが、放っておくとドクダミだらけになってしまうので、他の草を覆ってしまう場所の物は刈り取って、お茶やチンキ剤に。草が生えやすい場所に、日本のハーブであるイブキジャコウソウでグランドカバーするべく増やしています。お花も可愛いし、お茶にもなります。初春からモリモリ生えてくるのがハルジオン。ハルジオンは外来種ですが、可愛いから抜いてしまうの可愛そう。でも放っておいたら、他の草達が負けてしまう。「雑草という草は無い」とおっしゃった昭和天皇。外来種であるハルジオンが在来の草花を駆逐してしまうのを心配され、でもどんな草もただ抜いて捨ててしまう様な事をお嫌いになり、「食べられるハルジオンをみんなで食べて、在来の草を守りましょう」とおっしゃったそうです。ということで、蕾をフリットに、若葉はアク抜きしてあえ物にして頂いてみました。そして、冬の間葉っぱを収穫して食べていた春菊の花が今満開です。普通、収穫の為には花は咲かせませんが、私は春菊の花が大好きで咲かせてしまいます。この何とも言えないグラデーション、可愛くないですか?中には真っ黄色な子もいるのが、また可愛いです。切り花にして楽しんだり、最後は花だけ切って冷凍しておいて、染め物に使います。あまり頑張りすぎず、でも少しでも自然の営みに寄り添える工夫、みんながちょっとずつ意識することで、自然にも人間にも優しい暮らしになっていったら良いなと思っています。(佐々倉聡子)

 


・2021413

春爛漫! オオイヌノフグリやヒメオドリコソウなど、雑草と呼ばれている小さな野花たちがほころんでいます。土筆を採りに土手へ、ワラビを採りに山へ。春から初夏は、いのちの息吹が喜びにあふれているようで、私の大好きな季節です。  「自然のいちばん繊細な手仕事は、小さなもののなかに見られます。」(レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』)野花にひきつけられて蜂や蝶などの虫たちがやってきて、花粉を運ぶことで、植生の多様性が増します。そして、微生物などのおかげで土が肥えていてパワーがあると、そこに生える植生の種類がさらに豊かになります。その植物を目当てにたくさんの昆虫や鳥がやってきます。多種多様な生物たちで豊かになると、バランスが整いはじめ、生態系のシステムがより安定していきます。いのちの環ができ、柔軟性や回復力が高くなります。多様性の豊かな環境では、支え合うことがまわりまわって自分のためになり、全体として大きく命を育むことになります。  対して、自分の気に入らないものを排除し、自分と異質なものを攻撃し、支配欲に浸りながら、「簡単に早く多くを得たい」と暮らしてきたわたしたち人類。人類に見えていないものが見えていて、聴けないものが聴けていて、壮大な範囲のものごとがわかっているーそんな人類の能力をはるかに上回る能力を、自然が持っているとしたら、わたしたちの「わかっている」ことなど数パーセントにも満たないとしたら・・・そんなふうに考えるとつじつまが合うような気がして。自然からの惜しみない愛を感じずにはいられません。「自然は命令しない 自然は急がない だが 一秒たりともなまけていない」(山本有三) 自然の繊細な手仕事を、自分の庭で目撃し体験する。  命令もしないし急ぎもしない。けれど、多様な命の間に、豊かな調和をかならず生み出す。その奥深く優しい手腕に、言葉にできない畏敬の念を抱く。「いのちのめぐる庭づくり」を通して、そんな場づくりのお手伝いができたらどんなに幸せかと、祈りを込めながら活動しています。  二年目を迎えた「いのちのめぐる庭づくり」。 小さな活動で形にさえまだなっていませんが、自然の営みに学びながら、繊細な手仕事を、急がず地道に、みなさんと進めていきたいと思っています。 (松本理恵子)

 


202146日  庭の間取り

このグループに参加して、多様な生き物を育む庭についてたくさんの学びと気付きがありました。その一つに、元気な土壌をつくることがあります。落ち葉は天然の肥料。ゴミではありません。お庭にそのままにしておくことができたら一番いいのですが、それがかなわないときに活躍するのがコンポストです。しかしコンポストがお庭の目立つ場所にあると美観を損なうこともあり、どこに計画しようかしらと考えます。掃いた落ち葉を寄せて、溜めて、放っておける場所がお庭の片隅にあると、昆虫たちの越冬場所になります。土壌がどんどん豊かになります。そんな場所をさりげなく用意するにはどうしたらいいかしら、と、またまた考えます。そうして考えながら、気が付きました。これは家の間取りを考えるのに似ていると。リビングやダイニングからはトイレが見えないように、とか、脱衣所や洗面所は裏手のほうにとか。そんな風に考えながら使い勝手のいい家の間取りをつくっていくのと同じように、お庭も初めからコンポストの設置場所や掃いた落ち葉をためる場所を考えておくといいのかもしれません。(長澤直子)


2021330日 【土壌は生物】

昨日は2回目のおはなし会。「農薬削減」と「野生生物との共存」についてでした。いのちのめぐる庭づくりで取り組む、5つの要素の多くは「土を育てること」「土を健康に保つこと」につながっていきます。農薬や化学肥料を制限するのは、土のためである部分も大きいのです。植物が地下でどのように成長するのか、菌根、バクテリア、土壌生物がどんな働きをしているのかなどを解説してくれている12分程度の動画をご紹介します。日本語字幕が入っているので音声オフでも見ていただけます。見えない土中にどんな営みがあるのか、興味深く見ていただけるはずです。(冨田ちなみ)


・2021323

 

各地から桜の便りが届く様になりましたね。東京で満開だそうです。桜と言えば日本、というイメージがありますが、桜はヒマラヤ辺りが原産と言われ、北半球で生育するため、ヨーロッパやアメリカにも生えています。ヨーロッパではお花を愛でるというよりは、さくらんぼの為の実桜が一般的な様です。中国や韓国は日本と気候も似ているので、日本の桜に近い種類の桜があるそうです。桜というとソメイヨシノですが、皆さん良くご存知の通り、ソメイヨシノは園芸種です。江戸末期に染井村で、大島桜と江戸彼岸桜を交配して誕生したものです。ソメイヨシノは全てクローンなので、一斉に咲く為、見事な桜並木になるのですね。沢山の園芸品種が作出されている桜、今では600品種とも言われますが、元々日本に自生する野生の基本種は10種類(沖縄で野生化した寒緋桜を入れて11種類)。主に本州中部以南に自生するヤマザクラ、本州・四国・九州と広く自生するエドヒガン、本州中部以北に自生するオオヤマザクラなど、その土地土地に古くから自生する基本種があり、そこから自然交配した野生種も100種類程あるのだとか。見事な染井吉野の桜並木を愛でるのも良いですが、自分の住む地域に自生する桜を知ることも素敵ですね。そして、農耕民族の日本では、植物は田植えなど農耕の目安にされて来た歴史がありますが、桜もしかり。桜が咲く季節は毎年一定で、花も華やかで目立つ為に、集落の中で田植えの目印として大切にされ、使われて来ました。諸説ありますが、桜の「サ」は稲の意味で、田植えの神様を象徴するもので、「サ()」の神様が鎮座される場所が「クラ()」、それがサクラの語源とか。現に、田植えに関する言葉には「サ」から始まるものが多く、田植えの時期は「さつき(皐月)」、植える稲のことは「さなえ(早苗)」、苗を植える人を「さおとめ(五月女)」と言います。昔から人はその土地土地の自然の営みと共に暮らして来ました。今更大昔の様な生活は出来ないし、する必要も無いですが、現代の生活でも、その土地の自然の姿に寄り添った暮らし方がしたいなと思います。長ーくなり、すみません。私、草木染めが好きなので、お庭の草木などで染め物をしています。写真は友人のお庭の桜の枝を頂き、時間をかけて桜色を抽出して染めました。この桜色を取り出すのは難しいのです~。今年は上手くいきました。草木の持つ秘めたパワーは凄いです。(佐々倉聡子)


2021316

「いのちのめぐる庭づくり認定プログラム」がお手本にしている、Backyard Habitat のホームページに、ブログページが新登場しています。 今日は、その中からこのページをご紹介。 Wildlife Care Center と Backyard Habitat CertificationProgram が、より安全に鳥や益虫が過ごせるような庭づくりのヒントを紹介しているページです。長文のため全訳はせず、サマリーにして以下に掲載します。

①鳥や益虫が水浴びしたり水を補給できる場所、バードバスやバグバスを設置しましょう。浅いお鍋やトレイ、植木鉢の受け皿などを再利用した自分で作るバードバスで十分。深さは2インチ(約5センチ)以下の浅いもので、水は1インチ(約2.5センチ)ほど入れておきます。小石、小枝などを入れて鳥や益虫が掴まれる場所を作ってあげてください。鳥は水の流れる音に惹かれます。地面に近い位置に設置して、頻繁に水を交換して清潔に保ってください。

②在来植物を植えて、野生生物の食べ物を供給しましょう。その地域に自生する植物は、その地域の野生生物が好んで食べるもので、その地域の生態系の維持に不可欠です。開花や結実の時期が違う在来植物を植えることで、多様な鳥や益虫に食べ物を供給することができます。暑く乾燥する夏が来る前の、秋、冬、春が植えるのによいタイミング。その場所の土壌、光、水分の条件やスペースの大きさに適応した植物を選びましょう。

③野生生物たちのシェルターづくりに落ち葉を放っておきましょう。鳥やその他の野生生物にとって素晴らしい生息地にするには、落ち葉や枯れ枝をあまり片付けないことです。有害な雑草抜きや草刈りや、樹木の剪定は、秋や冬まで待ってみましょう。鳥類の重要な食料源となる昆虫やクモ類の生活を邪魔しないように。昆虫やクモ類は庭の落ち葉の層に暮らすのが心地よいので、落ち葉や伐採した枝は、シェルターとして確保してあげてください。

④野生生物のよき隣人となりましょう。  特に春と秋の渡り鳥の時期には、不必要な屋外照明を減らしましょう。 殺虫剤、殺鼠剤、グルー・トラップはあまり使わないようにしましょう。 猫は室内に入れるか、屋外の囲いの中で飼いましょう。 鳥との衝突を防ぐために、窓に工夫をしましょう。

⑤野生生物との問題には人道的な解決をしましょう。動物を殺したり、捕獲したり、追い出したり、移動させたりすることは、決して人道的な方法ではありません。また、長期的な解決策にもなりません。アクセスをさせない(例:煙突にフタをする)、誘引物を取り除く(例:餌を取り除く、または確保する)、または代替手段を提供する(例:巣箱を設置する)という簡単なステップを踏むことで人道的に解決できます。その動物の生態や行動歴を知りましょう。

⑥野生生物には野生生物の暮らしがあることを尊重しましょう。野生生物が自分の庭にやってきてくれたり、子供を産んだりしてくれると嬉しいし楽しいのですが、食べたり食べられたりのシーンや、子育てがうまくいっていないシーンを見ると何かしたくなります。でも、自然のプロセスを妨げないようにしなくてはならないのです。野生生物には野生生物の暮らし方があり、それが自然であるということを覚えておきましょう。すべての健全な関係には、境界線が必要なのです。

 以上、大切だなと思われる部分を訳させてもらいました。 先月から始めた、「おはなし会」の中でも触れる内容です。 植えるものも、土壌も、水の管理も、野生生物とのくらしも、すべてが循環の中で密接にかかわっているのだと、あらためて確認できた記事でした。 (松本理恵子)


202139日 庭のない家

少し前に間取りのご相談を頂きました。お庭がない家でした。

車を駐車する都合で庭が計画できなかったようです。道路沿いには目隠しになるような塀を建てることもできず、道行く人々から家の中が丸見えです。外からの視線が気になると、日中もカーテンを閉めて家の中で過ごすようになってしまいます。分譲地は初めから庭を造るゆとりがない土地が多いです。それでも家と車の配置を工夫することで、お庭を計画することができます。つくりましょう、お庭。庭のある家で豊かな暮らしを送りましょう。(長澤直子)


202132日 【お話会で取り上げた外来種】

始めてのオンラインお話会は不慣れ感が満載で失礼いたしました。7名の方にご参加いただき、皆様ありがとうございました。時間より少し早く終えてしまったので、閉じてから2名の方がアクセスしてくれていたようです。せっかくきてくれたのに本当にごめんなさい。今回のトピックは外来植物と在来植物。ポートランドのバックヤードハビタット認定プログラムの内容をお伝えして、私たちが取り組んでいる「いのちのめぐる庭づくり認定プログラム」のファーストステップをご紹介しました。取り除きたい外来植物の中には、とてもメジャーな植物も含まれています。最初にリストを見たとき驚きました。例えば「リピア」や「ヒメイワダレソウ」と呼ばれる、春先にピンク色のかわいい花をつける下草。雑草よけに、グランドカバーとして庭全体に敷き詰めることもある植物です。繁殖力が強いので、このような使われ方をするのですが、どうやら増え過ぎているようです。それぞれ庭の中でコントロールされて生息しているなら問題ないのですが、それが外に出て道端や空き地など勝手に生えてくるようになると外来種として認識されます。そして、その増殖が度を超えると「我が国の生態系などに被害を及ぼす恐れのある外来種リスト」(環境省)に掲載されることになるのでしょう。身近だけれど野放しにしてはいけない植物は他にもあります。こういう植物を自分の庭で育てるのなら、きちんと認識して外に出さないように気を配る必要があるのですね。いのちのめぐる庭づくりに関わり、少しずつ学びながらたくさんの気づきをもらっています。範囲が広くて奥が深くて、知りたいことはまだまだあります。というか、まだまだこれからです。永遠に取り組めそうなので、ライフワークになっていきそうです。(とみたちなみ)


2021223

 

私の自宅(東京都23)のすぐ側に、3600㎡の森の様なお庭の家がありました。犬科の動物の研究者で、日本にシートン動物記を紹介したり、フィラリアの治療法の開発に貢献した、平岩米吉という人のお家でした。昭和の初めにここに居を構え、その広い庭で狼やハイエナ、犬など多くの動物を育て研究していたそうです。その庭は、あの明治神宮の森を作った上原敬二の設計で、明治神宮の森と同様、100年後を見越して作られ、なるべくこの土地の在来の樹々が植えられた庭でした。普通の住宅街の中で、樹々の生い茂るその庭は、鳥や蛙、カブトムシや蝶など野生生物の住処となり、沢山の土壌に雨水をしっかり染み込ませ、周囲の家を風から守り、気温を下げ、長年近隣住民と共にありました。私は幼少の時から、ここの樹々を眺め、鶯の声を聞き、そこから我が家の庭にやってくる鳥や蛙、虫達を楽しみにして来ました。区に寄贈するので保存を、という遺言が受け入れられず、近隣住民で色々活動しましたが、結局残念なことに売却され、マンションが建つことに。

ほぼ全ての木が伐採され、今、たった2本だけ残された痛々しい松の木の横で巨大なクレーンが唸っています。

ここ数日の様にすっかり春めいた頃には、以前であれば我が家の庭に沢山やって来ていた鳥達の姿がめっきり減ってしまいました。今年は鶯の初音も聞けないかなあと寂しく思っています。勿論、時代と共に街は姿を変えて行く物ですが、その土地のあるべき自然の営みの中に私達もいるのだという事を忘れずに、私達よりずっと昔からその土地にいる樹々や生き物達に、少しずつでもみんなが思いを寄せて行かれたらなあ、と思います。(佐々倉聡子)


2021216

 

今週木曜日218日は、二十四節気で「雨水」。農耕を始める時期の目安とされてきました。つづく19日からは七十二候で「土脉潤起」(つちのしょううるおいおこる)。生き物たちも目覚めて動き始めます。庭でいい仕事をしてくれる、テントウムシ カゲロウ カマキリ トンボ クモ ミツバチ・・・今、世界中ほぼ全域で昆虫の数が少なくなっているそうです。2019212日付け BBCニュース マット・マクグラス環境担当編集委員の記事によると、・昆虫の減少は世界中ほぼ全ての地域で起きており、向こう数十年で全体の40%が絶滅する恐れがある。・ハチやアリ、カブトムシなどは、ほ乳類や鳥類、は虫類と比べて8倍の速さで減少している。・イエバエやゴキブリといった一部の種は数を増やしている。とのこと。「もしも昆虫種の減少をくい止めることができなければ、地球の生態系と人類の生存のどちらにとっても壊滅的な結果となる」(シドニー大学のフランシスコ・サンチェス=バヨ博士)Aylin Woodward Feb. 19, 2019, TECHINSIDER より

 

フランシスコ・サンチェス=バヨ博士は、わたしたちにできる対処法として、次のことをアドバイスしてくださっています。・殺虫剤を使わないこと、・有機的な食品を選ぶこと、・昆虫にやさしい庭造りをすること「いのちのめぐる庭づくり認定プログラム」では、農薬削減と野生生物との共存は大事な要素です。自分の庭から小さく始める、大きな貢献を! (松本理恵子)


2121211日 【未来へつなぐ地域の自然】

とってもとっても見たいと思っている催し。「知るからはじめる外来植物」大阪市立自然史博物館で開催中のはずでした。今は臨時休館中。解説書がwebで購入できたので頼みました。また書籍が届いたらシェアしますね。状況が安定して開催されるのを心待ちに。(冨田ちなみ)


2021210

 

京都のとある川辺でヌートリアの親子を見つけました。ヌートリアはアライグマと同様、もともと日本にはいなかった特定外来生物です。凄まじい繁殖能力でその数を増やしています。農作物の被害が深刻です。(長澤直子)


202122日 【食べられる幸せ】

45x90㎝高さ20㎝ほどの箱に葉物野菜の種を蒔いたのは秋の終わり頃。小松菜・菊菜・水菜・レタス・二十日大根。ギュウギュウで育て、間引いて食しています。自分で育てた植物を収穫するって、種を蒔いてから食べるまでの間、何度も何度も楽しめる。種を蒔く時、芽が出たのを発見した時、少しずつ成長するのを見る時、何かにかじられた跡に気づく時、いまいち成長の悪い時、収穫する時、調理法を考える時、食べる時、、、上手くいったりいかなかったり、発見がいっぱい。土に種を蒔いただけで、肥料もあげなければ消毒もしていないのに美味しい野菜に成長する。すごいな。45x90㎝の菜園から受け取る恩恵は計り知れないなと感じている。(冨田ちなみ)


2021127日 【コンポストの助成金】

コンポストとは堆肥化。微生物の力で、生ゴミや落ち葉などの有機物を分解・発酵させて、有機肥料をつくることです。「いのちのめぐる庭づくり認定プログラム」でも、土壌はとても重要な役割を担っているため、自然の循環を促す土づくりにコンポストを推奨しています。このコンポスト、行政から助成金が出ているんですよね!助成金を得てコンポストにトライしてみる、と、わたしのクラスメイト(「地球のしごと大學」教養部を来月卒業予定です。)がお話をしてくれたことをきっかけに、兵庫県の助成金について、少しだけ調べてみました。兵庫県の生ごみ処理機助成金制度 残念ながら、西宮市は終了していました。。。コンポストはダンボールや、木枠を使って自作することができますが、今では便利なマシンがいろいろと登場しているようです。自分の住環境に合わせて、市販の生ゴミ処理機を使ったり、手作りしたり。土壌のために使うコンポストですが、同時にゴミ削減に貢献できる点も魅力的です。「東京ドーム115杯分!全国ごみ少ないランキング発表 新型コロナで生ごみ増 減らすための10ポイント」 こんなコンポスト作っているよ、利用しているよ、という投稿も、ぜひお寄せ下さい!(松本理恵子)


2021118

 

いのちのめぐる庭に寄り添う家はこんな風だったらいいなと思います。これは環境をシェアする住戸群という設計課題に取り組んだ際に作ったプランです。最近なんでもシェアする時代ですが、思いやりと配慮をもって分かち合うことが何より大切なのだとつくづく思います。思いやりと配慮を向ける相手は決して隣人だけではなく、庭に住まう生き物全てにも向けられるべきでしょう。そんなことを考えながら作りました。(長澤直子)


2021112日 【ベランダでも いのちのめぐる庭づくり】

自然を感じながらの心地よい生活をつくるための庭づくり。マンション住まいならベランダで実現していけるはず。マンションの25階に住んでいたことがあるのですが、そこでもベランダで花が咲けば小さな蜂がやってきた、常緑樹にはアゲハチョウがきていた。もちろん小鳥だってやってきます。

先日宿泊した東京のホテル(10階だった)の窓の外にも、小鳥がきていました。都会でもマンションでも緑があれば自然を感じる暮らしが作れる。マンションのベランダに緑が溢れたら街の景色も変わりそうです。(とみたちなみ)


202115日 【春の七草って、外来種?在来種?】

 2021年あけましておめでとうございます。「いのちのめぐる庭づくり認定プログラム」、本年は立ち上げて二年目、ゆっくりと、少しずつ身近なプログラムへ進化したい気持ちです。どうぞよろしくお願いいたします! あさっては春の七草をいただく7日。お正月のごちそうに疲れた胃腸にやさしい七草粥、ご準備されているかたもいらっしゃると思います。ところで、春の七草は外来種?在来種? 急に気になって、調べてみたのです。

春の七草は、芹(せり)・薺(なずな)・御形(ごぎょう)・繁縷(はこべら)・仏(ほとけ)の座・菘(すずな)・蘿蔔(すずしろ)の 七つの若菜。 ●せり…日本原産といわれている在来種。●なずな →ペンペンググサ(アブラナ科)…麦栽培の伝来とともに渡来した史前帰化植物。●ごきょう →ハハコブサ・母子草(キク科)…江戸時代より前に移入された外来種(史前帰化植物)。●はこべら→コハコベ、ミドリハコベ(ナデシコ科)…コハコベは200年以上前にすでに定着している帰化植物、ミドリハコベは在種。●ほとけのざ →コオニタビラコ(キク科多年草)・オニタビラコ…在来種。●すずな →キョウナ・蕪(アブラナ科)…中東から中国を経て日本へ。洋種系は中近東から欧州を通って朝鮮から、弥生前期に日本へ伝わった帰化植物。●すずしろ大根(アブラナ科)中近東原産。弥生時代に日本に入ってきた帰化植物。という結果でした。7日は七種の若菜をじっくり観察しながらいただくのもいいかもしれません。

帰化植物:外国の植物が自生地から人間の媒介で渡来し,繁殖,生育して野生するようになったもの。普通侵入経路が歴史的に見当のつくものだけをいうが,稲作とともに入ってきた植物を想定して史前帰化植物と呼ばれるものもある。日本では約500700種。(デジタル大辞泉)

史前帰化植物:帰化植物のうち、有史以前に稲や麦などの栽培植物とともに日本にもたらされた植物。ナズナ、ヤエムグラ、スベリヒユをはじめ、水田や畑の耕地雑草が多く含まれる。江戸時代末期以前に大陸との交流で渡来したものを旧帰化植物、江戸時代末期以降に渡来したものを新帰化植物として区別する場合がある。(デジタル大辞泉) (松本理恵子)