在来植物を選ぶことで生態系を守り管理しやすい庭にしましょう。
・在来植物を選んで育てる。
・自然環境に近い植物構成を目指す。
・在来植物を食べて生きる生物を守る。
在来植物は、その土地の環境に適応していて、そこで発生しやすい害虫や病気に対して抵抗力があります。野生生物なので手入れや水やりが少なくてすみます。
生息する昆虫など小さな虫は、その地域の在来植物と共にずっと長い時間生きてきています。動物たちも在来植物を食べて生きていたり、そこに生息する昆虫や様々な虫を食べて生きている種がたくさんいます。動物の多様性は植物の多様性と密接に関連しています。歴史ある生態系を壊さないように、地域それぞれの固有の環境を守りましょう。
生物多様な庭にするために、育てる植物の構成は自然環境に倣い 高木・中木・低木・灌木・下草類 と5層の植生を目指します。
在来種の植物は園芸品種に比べて根を深く広く伸ばします。張り巡らされた根は土を解し、空気と水の動く健やかな土中環境を育ててくれます。
高木から地面を覆う下草類 まで、偏らずに様々なサイズの植物で構成することで自然界に近い環境を作ります。
植物を選ぶ時は、庭の環境をよく観察して検討します。日向、日陰などの日照条件や乾燥地、湿地など土質の違いにより、そこで健やかに育つ植物が変わります。その場の環境に適した植物を選びましょう。
高木は、上空に大きく枝を広げるのと同様に、土中にも大きく深く根を広げ、根を張ります。水を求めて根が伸びることで、土中の水や空気が動き流れが生まれます。降った雨が染み込みやすい柔らかい土になり、土中の環境が良くなります。
■ 植生レベル
A 最上層部 高木 高さ 4.0m以上
例 コナラ・エゴノキ・ヤマモミジ・カツラ・ナナミノキ など
B 上層部 中木 高さ 2.0m以上
例 クロモジ・ソヨゴ・ナナカマド・シャラ(ナツツバキ)など
C 大きな低木層 低木 高さ 1.2〜2.0m程度
例 ナツハゼ・オトコヨウゾメ・ミツバツツジ・ナンテン など
D 小中低木層 低木・灌木 高さ1.2m以下
例 マユミ・センリョウ・クチナシ・ムラサキシキブ など
E 地被層 草花類
例 ヤブコウジ・ツワブキ・ヤブラン・フッキソウ など
■ 近隣の山を訪れる
そこで育っている植物を観察し、調べてみる。葉や花の形や色、幹の表情からネット検索やアプリで調べることができます。
■ 近隣の神社を訪れる
神社はその地に古くから存在しているので、在来植物が育っていることも多いです。育っている樹木の案内板があったり、樹木資料を提供してくれるところもあります。
■ 自治体情報を調べる
環境保全の目的で各自治体が外来種や在来種の情報をまとめていて、ホームページなどで調べることができます。
20年前から「5本の樹」計画に取り組み、生態系保全への貢献を続けている「積水ハウス」のオリジナル書籍。
ご自身の自治体の情報を見つけたら、ぜひ教えてください。リストに追加させていただきたいです。
・埼玉県 : 生物多様性の保全に配慮した緑化木選定基準
・東京都 : 在来種選定ガイドライン